外壁塗装で塗料を選ぶ際、色や合成樹脂の種類以外に艶(ツヤ)の有無も選択の種類に入るのはご存じでしょうか。
「艶あり」「艶なし」というのは、塗装後に光をどれくらい反射するかの度合いを指しますが、実は見た目以外にも塗料の質が左右されます。
艶ありは日光を反射しやすいため、どうしても目立つことから、
「周りの家から浮いてしまうなら、艶なしのほうが……」
というご希望を多くのお客様よりいただきます。
しかし、見た目だけで選んでしまうと、数年後に後悔してしまうことが。
この記事では、外壁塗装で用いる塗料の艶あり・艶なしについて、お客様の塗料選びに少しでもお役立てできるようご紹介したいと思います。
ぜひ、ご参考にしてください。
■艶の度合いについて
艶の度合いは5つの段階に分かれています。
これは光の反射率によるもので、一番上の「ツヤあり」が約70%以上の光を反射するのに対し、「ツヤ消し」の反射率は5%まで低くなることに。
なお、外壁塗装の塗料からはすべてこれらの艶の段階が選べるわけではなく、商品によっては「7分ツヤ」は選べなかったり、「ツヤ消し」がなかったりと、選択が狭まることもあります。
・ツヤあり
・7分ツヤ
・5分ツヤ
・3分ツヤ
・ツヤ消し
■艶ありの特徴
艶ありは何かの薬剤を混ぜていると思われたかもしれませんが、実は一番スタンダードなものです。
そもそも艶ありがベースとなっており、艶なしになるにつれて「フラットベース(艶消し調整剤)」が多く混ぜられているんですね。
艶ありにはそのような不純物がないため、艶消しよりも耐久性・耐候性が高いとされています。
艶の正体は、合成樹脂とよばれるもの。
塗料には「ウレタン」「シリコン」という合成樹脂が混ざっており、この合成樹脂によって表面に艶のある塗膜が張られる仕組みです。
艶ありは表面がつるつるしていることから汚れがつきにくく、防水性が高いです。
ほとんどの塗料は「艶あり」として販売されているので、艶を気にしない方や、塗りたての艶にこだわる方、艶よりも耐久性を重視する方に広くオススメします。
ちなみに、屋根塗装は艶ありでも高い場所にあることからあまり見た目に響かないので、艶にこだわる必要はないと思います。
■艶なしの特徴
塗料は艶ありがスタンダードではありますが、その見た目から「安っぽい」と感じてしまう短所がありました。
そのような利用者の声に応える形で発売されたのが、艶なしの塗料です。
艶なしの長所は、見た目の重厚さのほか、周りの家から浮かずに済むというところ。
とくに日本家屋などの外壁がモルタルなどのマットな素材で造られている建物は艶なしとの相性が良く、艶ありはいくら性能が良くても見た目がそぐわないことに。
艶を無くすための「フラットベース」は塗る前に職人が混ぜるタイプと、すでに工場で混ぜられて缶に封入しているタイプの2つがあります。前者は艶の度合いを調整できますが、後者は最初から決まっているので調整ができません。
なお、艶なしの塗料は水性のものに限られます。
塗料は油性のほうが耐久性・耐候性がやや高いので、日光がよく当たったり、下地が鉄部の場合は油性塗料のほうが建物を長く守ってくれます。艶なしを選ぶとしてもパーツによっては塗料を変えることを検討してみましょう。
■艶ありでも目立たないようにしたい
艶ありは艶なしよりも耐久性・耐候性が高いですが、それでも艶はあまり感じたくない、と思われているかもしれません。
そのような方は色を参考にしてみましょう。
小学校の理科で習ったことと思いますが、一般的に黒は光を多く吸収し、白は光を多く反射します。
それを踏まえると、黒を選べば艶をあまり感じないのでは? と思ったかもしれませんが、現実は逆です。
黒に艶が加わると光を反射する部分が白く映るので、色の明暗、コントラストが強くなります。そのため、黒と白の落差がくっきり出てしまうので、結果的に艶が目立つことに。
画像のエナメルの靴を見てもらえると分かるかと思います。
逆に白は光を反射するとしても、黒と違ってコントラストがそこまで強く出ないため、艶は感じにくいです。
艶ありでも目立ちたくない、というときは白・ベージュなどの明るい色を選ぶといいでしょう。
ただ、艶自体は2~3年たつとなくなるので、我慢して待つという選択もありです。
■どうしても艶なしを選びたい
天秤にかけても艶なしがいい、と思っている方は耐久性をあきらめなければいけない……というわけではありません。
現在最も人気の高い塗料は、耐用年数・価格ともにバランスがよいシリコン塗料ですが、艶なしの製品になると必ずしもこれらの耐用年数・価格が変わるわけではないのです。
たとえばエスケー化研から発売されているシリコン塗料「アートフレッシュ」は、耐用年数10~12年、2,730円/m²という設計価格です。これらはシリコン塗料の平均にあてはまる値なので、艶消しだから、と忌避する必要はありません。
最近は塗料の性能も上がっており、艶なしの塗料でも艶ありと遜色ない耐久性を誇るようになってきました。
こだわりのある方は、ぜひ艶消しでも性能の落ちない塗料を探してみてください。
■まとめ
塗料は艶あり・艶なしがあり、その度合いは分かれてはいますが、一般的に艶ありのほうが耐久性・対候性に優れています。
そのため艶ありを選ぶと間違いはありませんが、気になる方は艶の目立たない色や、耐久性の変わらない艶なしの製品を選んでみましょう。
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